園芸豆知識
これから園芸を始めるために役立つ豆知識をご紹介します。
肥料の3大要素について
肥料の3大要素に、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)があるのはご存知ですね。窒素は葉や幹を育てる、リン酸は花や実に、またカリは根を健康に育てると言われています。その他人間や動物にとってビタミンにあたる微量要素(鉄分、マグネシウム分等)があります。元肥、置肥、液肥について
元肥とはあらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料。置肥とは土の上に置いたり、土の上部に埋め込む肥料。
液肥は文字通り水に薄めてやる肥料です。
元肥
畑などでは元肥に鶏糞や油かすを用いますが、コンテナ(鉢)では根が直接肥料にふれると肥料負けして枯らしてしまう危険性が高いため元肥としてこれらは用いません。非常にゆっくりと溶けだして長期間肥料を補充してくれる、緩効性のものを使います。代表的な物にマグアンプKがあります。
この肥料はリン酸分が非常に多く特に長期間花を咲かせる物には効果が高いようです。
置肥
追肥などに用いる置肥にも化成肥料と有機肥料があります。家の中や、玄関先などでは、臭い等が気になるため化成肥料を使うことが多いのですが、植物や土にとってはやはり有機質の肥料のほうが良いようです。通常の固形醗酵油かすでは、臭いや虫の問題がありますが、東商というメーカーの「おまかせ」という肥料は醗酵度を極限まで高めてあり、こういった問題が少ないのでおすすめです。
施肥の間隔ですが、花が咲き続ける物には1ヶ月から1ヶ月半に一度置き換えてください。(形が残っていても肥料分はありません。)
液肥
液肥の利点は速効性にあります。またやりすぎても、次の水やりの時に余分な肥料が流れ出して、施肥管理がやりやすいものです。ただし、希釈倍数は各商品の説明書通りにきちんと薄めてください。なるべく薄目に回数を多くというのがコツです。通常1週間から10日に一度が目安ですが、肥料要求度の高い植物には曜日を決めて水やり代わりにしっかりやると良いでしょう。
代表的な液肥にはハイポネックス原液があります。
ほかにフランス製の「アルゴフラッシュ」という液肥は微量要素もバランス良く配合されていて健康に大きく育つと好評です。
常識と実際
冒頭にも書いたとおり常識的には窒素分は葉や幹を育てる肥料で花をたくさん咲かせるためにはたくさんやってはいけないと言われています。しかしペチュニア類(サフィニア等)ではそのような施肥ではうまくいきません。なぜならば、この類は株がどんどん大きく育ってはじめて花がたくさん咲くものだからです。窒素が多すぎて花が飛んでしまうという心配はこの種類においては全くありません。窒素が少ないとみかけは同じように育っていても、軟弱でちょっとの雨にも負けて枯れてしまったりします。固形醗酵油かすと液肥を併用してしっかり施肥しましょう。しかし、逆にパンジーは常識通りで、ちょっと窒素が多いと葉ばかり黒々と育って、花付きが極端に悪くなります。
植物ごとに違うのがやっかいで分かりにくいでしょうが、一般的には大きく育つ物には窒素を多く。あまり大きくならない物には少な目にということでいいのではないでしょうか。
洋ランなどでは肥料をやる時期がちょっと長すぎると花がつかないものも多いので、わからないときは遠慮せず、園芸店等で教えてもらうとよいと思います。
常識と実際
植物個々に日当たりを好む物、日陰を好む物と違います。その植物に一番いごこちのいい場所はどこなのか良く考えてあげてください。飾る場所にあわせてそこを喜びそうな種類の苗を購入するのがベストです。
ただ、玄関先を花でいっぱいにしたいけど、日当たりが悪いという時などもあると思います。そんな時は飾りたい鉢数の2倍用意して、条件のいい場所と飾る場所とローテーションするのもひとつの方法です。
またできるだけ床(地面)に直接置かず、なんらかの台を用意しましょう。
特にテラコッタの場合、鉢底の穴の小さい物が多く、水はけが悪くなって根ぐされを起こすこともあります。
また、夏場は地面からの照り返しを防ぐ意味でも少し高めに配置すると良いでしょう。
植物の喜ぶ水やり
俗に「水やり3年」と言われます。植物の世話をするというと、毎日定期的に水やりをするかたが非常に多く、水が多すぎてうまく育たないあるいは枯らしてしまう例をよく見ます。春4月から秋の10月くらいまでは、よく言われる基本の「鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水があふれるまでしっかり水やりする」で良いと思います。
こうすることによって、水とともに土粒間の古い空気も押し出され新しい新鮮な空気が流れ込みます。根も呼吸しますから新鮮な空気は絶対必要です。
11月頃から3月頃の気温の低い時期は、土の表面が乾いてもすぐにやらず、1日か2日間隔をあけてからやるようにします。この時期は、表面が乾いても土の中程から下には十分すぎるほどまだ水があるからです。
冬場の観葉植物はもっと水やりを控えなくてはなりません。ちょっと多いと寒さですぐ根ぐされを起こしてしまうからです。寒さに弱い物ほど間隔をあけてやります。極端な例では丸々一ヶ月間隔をあけたほうがいいものもあります。
そんなに水をやらなかったら枯れてしまうのではという心配はあまりありません。
仮に水が少なすぎて葉が枯れてしまっても根や幹は生きていますから、春になればちゃんと葉を出して再生します。しかし水が多すぎて葉が枯れたときは、根が腐り、その腐りが幹にまで及んで、生きかえることはありません。
また水やりするときも、寒波のきていない比較的暖かい日の午前中に人肌くらいに温めた水で水やりします。
鉢土のどこらへんまで十分に水があるのかは、鉢から抜いて見るわけにもいきませんから、感でしかわかりません。そこで、こんな時の便利グッズをひとつご紹介しておきましょう。「水やりチェックメーター」という鉢の中の水分量を測定するグッズがあります。
1本用意しておけば水やりのミスを防げて便利です。
花をいっぱい咲かせるための摘芯・切り戻し
ボリュームのある株に育て多くの花を咲かせる摘芯
株元から直接花茎を伸ばす種類(デージー等)を別にすれば、多くの草花類は、枝数が多いほど、こんもりと茂ってボリューム感も出るし、それに比例して花数も多くなります。特に、ペチュニア、日々草、ベゴニアセンパフローレンスなどは、苗のうちから花がすぐに咲き出すためなかなか摘芯ができにくいと思いますが、思い切って幼い苗のうちに摘心しましょう。そうすることによってわき芽の発生が促進され枝数の多い株に育ちます。
ピークを過ぎたら切り戻しをしよう
ペチュニア類は6月頃には最初のピークを過ぎて花が少なくまた間延びしてきます。またボリュームが出過ぎて根に負担がかかりすぎてだんだんくたびれてきます。そのままほっておくとちょっとした雨でも枯れてしまったりしますから、早めに切り戻しをしてやりましょう。この時鉢の縁から10cmくらいの所(株全体の半分以下)で思い切り、切り戻すと良いでしょう。
サルビア、マリーゴールド、日々草などは8月に入って花が少なくなりかけたら切り戻します。9月頃からまた元気になって10月頃からまた勢い良く咲いてくれます。